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通り過ぎていくその色を滲ませた白紙だったものがわたしだ 空に手をふりたいきぶん借金も虫歯も生きるために作った その骨をこの砂に埋めてみませんか 存外悪くない海ですよ 平泳ぎひとかきしてまたいきのびてつづく三十分間回泳 恋なんて名前は カーテンと一緒に 炎にくべた 朝靄の街は水底に似てるから 浮上するのが名残惜しいね さようならをどう言えばいいか いつもよくわからない 八百年胸焦がすような恋でした 君の髑髏を掘り起こしてみる 胃の中に淡青灰の針ひとつ抱けばひややかなる秋の夜 千年後りんごが浮いていることをニュートンだって知らないだろう 冷たさをつかんで坂を駆け降りる二輪 いつかは忘れる速さ 曇天の空がちがって見えること まぐれみたいなあなたとの日々 逸れてゆく話題のしっぽをつかまえてあなたはふわふわの犬の話を レンタル彼氏の顔面にシールを貼るだけの髪型が自由なバイト たまごがへいからおっこちた 親指の三角形のてっぺんにとどめを刺すようあてがう爪切り 週末のライブ帰りは心臓を赤く灯して二駅歩く 恋しさを胸いっぱいに募らせて別れることで愛してゆける 眠たげな目を 半分だけ開いて 陽だまりの猫は 私の話を聞いている でもそれが嘘だったことなんて一度もなかったよ光 終電 くるしいよそんな顔して見ないでさ青い空だけそれじゃダメなの? 夕暮れにスープをつくる今日の晩わたしをほのかに温めるため 砂時計のさわれない砂 戻れない胸奥の街に降りしきる雪 あたたかい場所にいてねと祈るから冬だと思う 遠くなる声 20241110 暗闇のなかでひとりで泣いていたわたしに差し出されたその手は、 風船の犬をふたりで養っていつかビニールハウスにしよう 最終電車が出たあと 忘れものたちはいっせいに思い出を語りだす あなたは握り締めるたび砂になり永遠なんて馬鹿らしかった うそつきとあの子は泣いていたけれど染まっていくの笑えるように 毒の海 ここでの仕事は終わったとうさぎの形のタイマー光る 触れあって針葉樹林だと気づく 透明の受話器を握る もしもしとみぞれのような声に呼ばれて 肺満たす銀木犀の静寂はもしかして愛あるいは願い 両耳を両手で塞ぐうるさい血潮がずっとうるさい 嫌いなものがたくさんあるということは 好きなものもたくさんあるに違いない 寒空や燃ゆる二本はさておきも頰をつつくは冷えた指先 花のふりをするから、手折って 何度でもあなたの呼吸にやさしく揺れる 人生が終わる手前で炊く米をだいじょうぶなわたしと食べる 雨降りの土曜日だけをくりかえす街に列なすわたしのドアーズ まんまるのアップルパイを切り分けて幸福を少しずつ分けてる 花を挿すのにちょうどいいがらんどう ひとつずつ型に流し込むかのごとくことばを眼に焼き付けていく 薄明を透かす気霜に逃げる熱 遠くに聞いた はなをすする音 金の針振りまきながら夏染めし髪を刈り上げ冬に追いつく この生活が祈りにならぬようにこれからあなたの名前をつける 君がためさくら貝いろ染めた爪じゃれたきのうを仄やかに浮かべ そう言って彼女は月になった キリエとは祈りのひとつ屋上で明日のきみの予定を訊いた あの木は母の母乳で育った 冬の息 叶えられない願いほど光らせたがる朝の眩しさ 難破船に空いた穴を 満ちた潮が洗っている 誰も来ない磯 天使からミトンの手袋を借りる 落選したんだろう もう何をかいたかも思い出せない葉書 緊急時連絡先になってくれた友の信頼こそが最愛 君のためにアップルパイを焼く夜に珈琲が香る僕の後ろで ティラミスのほろ苦さだけ愛してた 強いひと弱いひとみんな秋は好きディグダのドーナツ連れてかえった 十一月九日までの絹豆腐 正義が勝つのを見せたげる 饒舌に語る筆と一致しない 絞り出した声のか細さが 絶望を生地に溶かしたクレープに凪いだ空気を包んで喰らう はじまりを思いだすとき手のひらが冬の星座をたぐり寄せてた 引き合いに出すとき思い浮かべてる君が遺影になりそうにない よだかも星になるらしい 何ぺんと灼いていいがら連れでっでよう 革命の歴史は墓地に捨てられてしまった きみのハートの8切りで かつて翠波のような色の魂を 匙ですくった僕らは 私以外私になれない 私達 ありふれた特別製 オーダーメイドとはこれいかに 染めたての朝を広げて帰ろうとする髪の毛を濡らしてあげる 泣かないよ魔法使いになれるでしょ 幸せになる夢をみたんだ 心のこだまが返ってくるような 朝焼けにじむ青空 しー…ん 天の川の流れる音が いちめんに響いてくる夜更けは うっかり寝てはいけない 黒鍵と白鍵を触れまちがえる 息つぎの下手になっていく渚 雨の中はだしで雪を踏むような日々を生きてる銀を握って かなしさを比べています思い出は銀にひかると知っているのに 月のうら汚染されずに澄みきって心の裏こそピュアでいさせて 釉薬の薄いところを撫でながら聞いているよないないよな白湯 会いたいも抱きしめたいも好きだよもきっとわかるよ 名前を呼んで 多様性チーズケーキの焼き加減 にくいほど晴れているから早退も気兼ねなくできるねっておばけが いくらでも傘買ってきていいからさ全部差すし、入っていてよ 身とこころだんだん石になつてゆく横臥のままに機微を忘れて 繊月や 君も気づかぬ爪あとを うすくするどくやさしくふかく ブラインドしゃらしゃら下ろす石楠花と初版の本を離さぬように ここにある空っぽのプールをあなたの八月の記憶で満たしてください 起き抜けに 飛び込んでくる散乱光 笧む眼に つきたてむ朝 そう この声だったと たしかめるように 何度も聴いておきたい よがってる七等星を蹴りあげる あ、いたい ほんと うそハレーション 色のないこころがゆっくり染まってく 繋いだ手から、そのことばから ろうそくは太陽であなたは月で私は誘われ寄せ返す波 ノクターン何番だっけスクロール明日が永遠に来なかったなら ぬるい月だった、触れたら 近づいてゆくほど遠い瞼の白さ 肋骨に囲われている内臓の赤 君だけに見せた瘢痕 (はんこん) あなたにも夕焼けを見るための窓 「かじる」とか「えらい」とか君が言ったから なになにとせがむ 私は子ども 失敗も見せれる貴方のシンセすらトんじゃいそうになって嬉しい “許されるうちにすべてを終わらせて”真面目に生きて布団に潜る 20241105 やわらかなとうふの煮える匂いとか、炊きたての米から立ちのぼる湯気とか あの人を美化することで救われる止まった時計に息をかける 〉 ©︎ 2023 Worker ants publisher All content is exclusively owned by the author. 利用規約プライバシーポリシーお問合せabout suiu refresh the page suiu 2024.11.12 Tue. 13:14:37 photo by Hamano Kamome